Follow us

case 実績・モデルケース

2022.08.22 実績・モデルケース

軽量大型ホワイトボードのODM開発事例/中西金属工業株式会社様との協業

トキハ産業は、中西金属工業株式会社(NKC)様との協業により、共創空間を支える軽量大型ホワイトボードを開発しました。中西金属工業株式会社様は、大阪に本社を置く企業で、ベアリング・リテーナーの製造販売をはじめとするさまざまな事業を行っています。

このプロジェクトは、自由な発想でアイデアを出しあえる場づくりを目的とし、そのための最適なツールの開発が進められました。試作・素材検証を重ね、ウレタン樹脂一体成型技術による新しい製品設計を行うことで、軽量かつ強靭な、共創を支援するツールとしての大型ホワイトボードが完成しました。

この記事では、ODM開発事例として、軽量大型ホワイトボード「ideaboard®magnet」の開発プロセスを紹介します。

軽量かつ大型を実現したホワイトボード開発事例|「ideaboard®magnet」とは

ideaboard®magnetは、軽量大型ホワイトボードのideaboard®を、マグネット対応にアップデートした製品です。2021年6月に発売されました。

<仕様>
・サイズ:高さ1800mm、幅900mm、厚さ10.8mm
・重量:5.2kg
・材質:発泡樹脂、スチールシート、硬質ウレタン

大きさは、畳1枚とほぼ同じです。大型サイズを実現しつつ、片手で持ち運べる軽さが大きな特徴です。

ideaboard®magnetの特徴

大型でありながら軽く、丈夫であること以外にも、ideaboard®magnetには以下のような特徴があります。

上下・裏表がないため、両面どの向きでも使える。平置き使用も可能。
・表面処理が施されており、書きやすく、消しやすい
・独自の技術で発泡樹脂、スチールシート、硬質ウレタンの一体成型を行っており、反りにくい
・ウレタン製のソフトな全周エッジで、安全性が高い

大きさ・軽さ・薄さ・丈夫さ・安全性・量産性全てを実現するために、何度も打合せを重ねました。試作品を製作しながら材料の組み合わせの可能性を模索し、生み出された製品です。

ideaboard®magnet は、ただ情報を書き込み、整理するためのボードではなく、“その場を共創空間に変えるツール”として設計されています。発起人である長﨑 陸さん(当時 NKC 社長付 戦略デザイン事業開発室 KAIMEN 室長/現 NKC Business Design Center センター長/株式会社kaimen 代表取締役)は、“アイデアのまな板”と表現しています。こうしたideaboard®magnetの本質を理解したうえで、求められる仕様を実現に近づける技術があるという点で、トキハ産業が技術面から参画することになりました。

参照:ideaboard® 開発ストーリー連載 #1_発想編 | アイデアの種を育て続ける|ideaboard®

軽量大型ホワイトボードが開発された背景

近年、目的に応じてレイアウトを変えられるオフィススタイルの導入が広がっています。ホワイトボードは、情報整理に使われるだけでなく、人の思考やイメージを可視化するのに役立つツールです。特にブレインストーミングを行う際には、使用するホワイトボードの面積が広ければ、生み出されるアイデアの量が多くなるともいわれています。軽量で、持ち運びやすい大型ホワイトボードがあれば、場所を問わず活用でき、より自由にアイデアを生み出す場が作れるのではないか。

しかし、従来の大型ホワイトボードは重く、移動に負担がかかります。壁面に大型のホワイトボードを設置するというのも、コストの面から現実的ではありません。そうした稼働型の大型ホワイトボードのニーズは高まっていると考えられましたが、市場にそのような商品・手段はありませんでした。両面ラミネートのスチレンボードという選択肢もありますが、これは使い捨てを前提とした商品といえます。そのため、現代のオフィスのニーズを満たせるような、繰り返し使える軽量大型ホワイトボードを開発することにしました。

さらに開発を進めていくなかで、ホワイトボードには“共創を支える”役割があることを改めて認識しました。そして、単に“軽くて薄い”だけでなく、“安心してアイデアを出せる場を作るための”ホワイトボードを開発することになりました。

軽量大型ホワイトボード「ideaboard®magnet」の活用例

ideaboard magnet協業事例01
ideaboard magnet使用シーン

ideaboard®magnetは、ビジネスやクリエイティブ、教育現場など、さまざまなシーンで活用できます。

一般的なホワイトボードとして

ideaboard®magnetは、「直接書き込む」「ポストイットを貼る」「マグネットで資料を貼る」ことにより、情報を整理できます。大面積なので、ミーティングや授業の途中で「書く(貼る)場所がなくなってしまった」という事態にも陥りにくいでしょう。さらに、2~3枚を一度に持ち運べるほど軽いため、場所やレイアウトの変更にも柔軟に対応できます。

壁に立てかける以外に、平置きでも使用できるため、床や机の上に置いてホワイトボードテーブルとして活用するのもおすすめです。空間の中央にホワイトボードを配置することで、ホワイトボードを囲んで顔を見ながら意見交換ができます。空間が“安心してアイデアを出せる場”になり、議論がより活性化するでしょう。

アイデアや情報を保存するツールとして

ideaboard®magnetは、A4用紙なら15枚以上貼り付けることが可能です。これだけ大面積で、かつ厚さ10.8mmと非常に薄いため、省スペースに大量に保管しておくことができます

前回のミーティングや授業で書き込んだまま、資料を貼り付けたままの状態で保管しておくことで、そのときの「熱量」や「雰囲気」も一緒に保存できるため、次回の再開がスムーズになります。

このように、アイデアや情報を「書く(貼る)・消す」だけでなく、「残すツール」として活用できるというのも、ideaboard®magnetの大きな特徴です。

軽量大型ホワイトボード「ideaboard®magnet」のODM開発のプロセス

本案件は、専門分野の異なる複数の会社が知識や技術を持ち寄り、「軽量大型ホワイトボード」という新しい価値を成立させていったプロジェクトです。以下のような条件を同時に成立させるために、トキハ産業としても、試作・検証を重ねて、各社で調整を行いながら進めていきました

・軽量化
・大型化
・薄型化
・マグネット対応
・強度
・量産性

トキハ産業は、主に自社が持つ独自の技術を提供する形で携わっています。

軽量大型ホワイトボード「ideaboard®magnet」の軽さの秘密

従来のホワイトボードの多くは、「板」と「フレーム」を組み合わせた構造となっています。一般的に、板はホーローやアクリル、メラミンなどで塗装した金属板が、マグネット対応にする場合はスチール複合版が使用されます。このような構造では、軽量・大型・薄型・強度・安全性・量産性を同時成立させるのが難しい部分が多いのです。そのため、試作と対話を繰り返しながら最適な構造・材料構成を模索し、成立させていきました。

そして、発泡樹脂、スチールシート、硬質ウレタンなどを組み合わせ、トキハ産業独自の製法で一体成型することで、軽量かつ強靭な大型ホワイトボードが実現しました。

開発のなかで特にこだわったのが、土台となる発泡材の精度です。一般的な発泡材の発砲率は50倍程度ですが、これではたわみが生じ、強度も落ちてしまいます。そのため20倍程度から試しつつ、ベストなバランスを探っていきました。

軽量大型ホワイトボードを実現した技術|ウレタン樹脂一体成型『FARNU Tech』

発泡樹脂、スチールシート、硬質ウレタンの一体成型を可能にしたのが、トキハ産業の独自技術であるFARNU Tech(ファーヌ テック)です。“ウレタン樹脂と異素材の一体成型技術”で、これにより製品にウレタン樹脂の特性を活かしたさまざまな機能を付加できます。

FARNU Techは、別々のものを接着させるのではなく、樹脂を流し基材に含浸させて成型を行います。縁材と基材が一体化するため、縁材が剥がれにくい衝撃に強いという特徴があります。さらに、既存の部材では難しい角の丸み、柔らかい触感を実現できるため、使う人や床・壁にも「やさしい家具」をつくることができます

また、ほかにもトキハ産業は、発泡スチロールを平滑にカットする技術と、複合材の小口をきれいに処理する技術(ウレタン射出成形)も持っています。これにより、滑らかで使いやすく、見た目も美しいホワイトボードが完成しました。

トキハ産業が本プロジェクトに参加することになったのは、ウレタン射出成型「FARNU Tech」をはじめとする技術を評価いただいたためです。

開発成果|グッドデザイン賞受賞と多様な現場での活用

2019年にはideaboard®、2021年にはマグネット対応のideaboard®magnetで、それぞれグッドデザイン賞を受賞することができました。多様なミーティング環境、ワークショップや屋外での使用にも対応可能である点や、重量増を最小限に抑えてマグネット対応を実現した点などを評価していただけたようです。

また、ideaboard®magnetは発売以降、以下のような幅広いシーンで活用されています。

・オフィスでのミーティング
・ワークショップ
・教育現場
・デザインレビュー
・共創空間
・プロジェクト共有

ideaboard®magnetには、壁面だけでなく空間中央でも使用できる、複数枚を並べて運用できる、使用後はそのまま保管できるなど、従来のホワイトボードにはなかった特徴があります。そのため、ただ「情報を書く(貼る)・消すツール」としてだけでなく、「思考プロセスを残すツール」としても広く活用されています。

まとめ:オフィス家具のODM・プロダクト開発を検討している企業様へ

近年、働き方の多様化への対応や、部門を超えたコミュニケーション活性化などのために、柔軟にレイアウトを変更できるオフィススタイルの導入が広がっています。今回紹介したようなホワイトボードだけでなく、オフィスで使う家具や備品を軽量化することで、さまざまな場所で“共創”することが可能になります。その結果として組織が活発になり、業務効率や創造性、生産性の向上も期待できるでしょう。

Contact お問い合わせ

ご質問/資料請求/工場見学のご希望などお気軽にご連絡ください。

TEL06-6928-8265
営業時間 平日9:00~17:30(土日祝を除く)